総合商社では、
1年目の仕事で最も大事なのは飲み会の幹事だ。
と口を酸っぱくして言われる。
私は1年目の際、当時年齢が一番近い先輩から上記を言われ、
「(気の毒に。この人は頭がおかしくなってしまったんだ。)」
と思っていた。
しかし、総合商社で数年働いてみた今、飲み会の幹事は最も大事な仕事の内の1つであると思い始めた。
総合商社では宗教的に飲み会を重んじるが、他の職種での飲み会の幹事は間違いなく大切だと思うので、今日は飲み会幹事必読のバイブルの内容をまとめた上で、私の意見を書きたいと思う。
1. 店選びを徹底せよ
基本中の基本。店選び。簡単そうに見えて、最も難しい。
下記に店選びのポイントをまとめたので参考にして欲しい。
・その宴会で一番偉い方の好き嫌いを考慮する
例えば部長以下参加の飲み会で、部長が嫌いな生魚系コースの居酒屋を予約していたとしよう。部長がその宴会を心から楽しめないことは勿論だが、部長以下の全員が
「やべえ、、、部長食事何も手をつけてない、、、どうしよう、、、」と思い始め、宴会を楽しむことに集中できなくなってしまうだろう。
故に、まず第一に部長の好き嫌いを抑え、嫌いな料理が出ない店やコースを選ぶべし。
・その宴会で一番偉い方が喫煙者か非喫煙者か調べる
これも好き嫌いと同じ。喫煙者であれば、喫煙できる空間を予約しなければいけない。
・カジュアルな宴会以外は基本的に個室
開けたスペースだと、落ち着かず宴会を楽しむことに集中できない方がいるかもしれない。そのような潜在リスクを潰すために、なるべく個室が良い。
また、参考までに私が食べログで店を探す際にフィルターとして使っている要素を下記しておこう。
・食べログ評価3.5以上
・オフィスから徒歩5分圏内
・近くにカラオケと2次会に使える居酒屋がある。
・2時間飲み放題5,000円以内
・完全個室
店は同期と共有などしてストックを増やしていくことをお勧めする。
予約する店が決まったら、上司やお局さんに食べログサイトを確認してもらうことも良い。(=こうしておけば、なんだこの店はとクレームが来た際、責任転嫁することができる。)
2. 会場の下見はマスト
食べログ等で適当な店を予約して満足してはいけない。食べログはよく見せているのだ。仕事と同じで、実際に現場を見ていないと潜在リスクに気づくことができない。
下見の際確認する点は以下。
・オフィスからの道のり
・座席の形等(席の配置を考える。)
・トイレの位置
・2次会会場の位置
・店員の対応
3. 席順は事前に上司or事務のお局さんに相談
フォーマルな宴会では、座席の位置が最も重要になってくる。
座席の位置なんて決めなくて良いだろう、と思うかもしれないが、
会場についても皆各々雑談をしているのでなかなか席についてくれず、まごついてしまうことが多い。予め席を決めておくことでスムーズに宴会に入ることができるのだ。
そこで大事になってくるのは、誰をどこに配置するのかだ。
基本的には一番偉い人の隣は女性(若い方に限る。お局さんをそこに配置してはいけない。)、正面はその人に最も可愛がられている盛り上げ上手。
新人は各々の人間関係を把握しきれていないので、ここは上司orお局さんに相談すべきだ。ちなみに、新人の席は絶対出入り口に最も近い場所で決まりだ。
4. 宴会の音頭や締めの挨拶を前もってお願いしておく
当日の昼くらいにさらっと「今日乾杯の音頭お願いします。」とお願いしておこう。
乾杯のタイミングでいきなり振ってしまうと低クオリティの音頭になる、かつクレームを受ける可能性が高い。
私は最も偉い方に乾杯の挨拶、その次に偉い方に締めの挨拶をお願いしている。
また、締めの挨拶の前にサッとお会計を済ませておくことも重要。
5. 終わった後は先陣を切って店を出て、2次会の音頭をとる
2次会会場は1次会会場よりカジュアルな居酒屋とカラオケの両方を予約することをお勧めする。
「2軒目、このまま飲むのと歌うのどっちがよいですかね?」
とみなさんに投げかけ、食いつきが良かった方の店に誘導する。
また、店を出る際に忘れものチェックも必要だ。しかし、幹事の自分は先陣を切って店を出てしまっているので、この仕事は自分の1つ上の先輩に託そう。
6. 翌日の朝、お礼と精算を始業前に済ます
お礼については、お礼を言って回ることができる範囲に参加者がいればお礼回りをすべきであるが、面倒であればメールで問題ない。(勿論、お礼回りをした方がベター。)
また、精算では適度に傾斜をつけよう。(傾斜をつけないのは失礼。)
適当に傾斜を付けた後、一番偉い方に確認してもらうことを忘れてはいけない。
どうだろう。
意外と奥が深いな、、、と思わなかっただろうか。
慣れない新人は上記を卒なくこなすことができない場合が多い。逆に言えば、上記を卒なくこなすことができれば、できる新人認定をされるのだ。
「宴会を上手に回すことができる人は仕事もできる。」というのはあながち間違っていない。「参加者を楽しませる」という目標に向かって潜在リスクを潰していく作業は、仕事と似ているからであろう。
飲み会の幹事が多い人は是非参考にしてほしい。