商社マンの煩悩

総合商社マンが日々の業務・日常・就職活動について書き綴るブログ

商社の仕事


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OB訪問等で後輩から、「どんな仕事をしてるんですか?」とよく聞かれるので、

備忘のためにも自己満足的に情報拡散したい点を下記しておこうと思う。

 

私は1担当者として貿易(輸入・輸出・3国間)を行っている。

所謂、商社の昔ながらの機能の1つである、

トレーディングというやつだ。

トレーディングにも無数の形態があるのだが、弊部が行っているトレーディングは、

 

「魅力的な商材を世界のどこかから発掘してきて、売れそうな市場に展開する。」

 

という形態のトレーディングだ。

資源系の商社らしいトレーディングとは業務内容が全く違うと思われる。

 

今回はこの商売形態の輸入について、具体的な仕事内容を説明しよう。

 

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1. 仕入れ

世界中にいる駐在員・ナショナルスタッフを動かして、世界にある魅力的な商材の情報を収集させる。商材の報告を受け、日本市場で展開できる余地があるか検討する。

正直、仕入れに本気で取り組むのは管理職クラス以上になる。なぜなら、担当者レベルの社員は日々の実務(見積作成・契約書作成・デリバリー等)に追われているかつ、新規商材を展開する際に考えられうる潜在リスクを見極めることができないからである。

つまり、時間もない上に経験もなく、「売れそうな商材」の匂いを察知することができないからである。

私は元々この仕入れをやりたいと思っていたので、日々アンテナを立てて商材を探しているが、なかなか難しい状況。

 

2. 国内営業(BtoB)

仕入れの段階で日本市場に展開製品を決めた後は、日本にいる既存顧客を回り当該製品のプレゼンを行うことで日本市場を啓蒙し、最終的に販売する。

 

噛み砕くと、

 

「今ヨーロッパでは新しく〜〜〜という製品が取り入れられ始めています。なぜなら、この製品を使うと・・・の点でコストカットできる、かつ***が+++になるので収益率もあがります。どうですか???」

 

と言った感じだ。上記の話を聞いた情報に敏感な日本企業は、大概下記のような反応をしてくる。

 

「なるほど。その製品、うちも知ってるよ。今ヨーロッパで流行ってるみたいだね。

非常に興味はあるけど、日本で使うとしたら、法律的には問題ないの?

あとさ、ヨーロッパでは良い結果が出た実績があるみたいだけど、日本でも本当に同じようにいい結果が得られるの?

日本でまだ実績はないようだし、いい結果が100%得られるとは言い切れないよね。」

 

この反応はグローバルに事業を展開している大企業に多い。(昨今、情報の非対称性はほとんどなくなっており、海外で流行っている新しい製品を知らない大企業はほとんどない。)

 

大企業故に、保守的である。

 

この場合、相手企業は我々が担いでいる製品のことを知っているので話は早い。

相手が不安に思っているポイントをヒアリングしていき、1つ1つ潰していけば良いだけだ。簡単に書いているが、この「ヒアリング」も「不安を潰す作業」も容易ではない。

 

ヒアリング」で最も重要になるのは間違いなく、接待である。

 

接待=フォーマルな打ち合わせでは言えないレベルの潜在的な不安を聞き出す場

 

である。

 

このような潜在的な不安を潰すことが後にキーになってくるのである。

 

続いて、「不安を潰す作業」。

 

この作業は製品のメーカーが優良企業であればある程度やりやすいのかもしれないが、我々が仕入れ相手にしているのは日本の大企業と比較すると非優良企業だ。(逆に、日本の大企業並みの優良企業であれば商社を介す必要などない。商社が仕入れる前に、自分たちで自ら事業を展開している。)

資料の誤字脱字や期日を守らないことなど当たり前。最悪、契約違反等も何食わぬ顔でかましてくる。

そんな中で日々四苦八苦しながら、協力して資料を作ったり、日本市場向けのスペックに作り変えることも検討したりしながら、客を納得させていく。

 

 

上記2つ作業を主導することで、最終的に受注内示を勝ち取ることができる。

 

3. デリバリー等々

受注内示を勝ち取った後は、

基本契約書作成・客先の与信判断・デリバリーだ。

総合商社では契約書作成は基本的に営業が行い、アドバイザーという立ち位置で法務がある。故に、営業は契約書を読み解く能力も求められる。(ここでいう読み解くとは、潜在リスクを洗い出すことだ。)

与信判断では客先企業の財務諸表等々を確認して、代金支払い条件や売り金額の上限を決定することだ。とにかく売りまくれば良いというわけではない。しっかりと代金を回収できるか、も重要なのだ。

デリバリーでは輸送の手配等々。

基本的に輸送会社に投げてしまうことが多いが、商社で請け負う作業も多々ある。海外とのやりとり場合、デリバリーでトラブルになることもあるので、気を抜けない。

デリバリーで製品の責任が客に移った時点で売り上げが立つ。あとは期日までに代金が振り込まれることを確認するだけだ。

 

商社の輸入業務の理解の助けになっただろうか。こんな感じで商社とは?という話もたまに更新しようと思う。